Ubuntu日本語フォーラム
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ペンタブレットは、日本の株式会社ワコムの製品を使っている人が多いと思います。が、この報告はそれ以外のペンタブ、Waltop社のチップを搭載したペンタブレットの動作報告です。
私が保有しているのは日本のプリンストンテクノロジー株式会社が販売しているPTB-12PSです。自分のタブレットがwaltopのチップを搭載しているかどうかは、コマンド「lsusb」などの結果から判断してください。
Karmic向け
9.10でプリンストンのペンタブを動作させる方法
Lucid向け
LucidはKarmicと比べて、以下の仕様の変化がありました。
1. Xサーバ1.7.5を採用。linuxwacomが対応しているのは1.6.4まで。そのため、パッケージ「xserver-xorg-input-wacom」は「linuxwacom」プロジェクトの成果物ではなく、「xf86-input-wacom」プロジェクトの成果物を利用。
2. HAL (Hardware Abstruct Layer) を撤廃。udevとxorg.confで設定するようになりました。
そのため、linuxwacom+fdiファイルというKarmicのハックは、Lucidでは動作しません。
「xf86-input-wacom」プロジェクトのウェブサイトを見ると、waltopブランチが設けられていて、Waltop社のペンタブレットのうち多くが標準動作しているようです。が、PTB-12PSは現状では、以下に報告したバグがあり、十分に動作しません。
Waltop Tablet works but it indicates the absolute point only holding the buttons
そこで、下記URLを参照して試してみたら、ちゃんと動作するようになりました。筆圧感知も問題ないです。
以下に導入方法を説明します。
Graphic Tablet working in 5 steps!! @ ubuntuforums.org
1. Martin OwensさんのPPAから、パッケージ「xserver-xorg-input-wizardpen」を導入。
2. 「~$ cat /proc/bus/input/devices」を実行。「WALTOP International Corp.」が含まれる部分を探し、Handlersの設定値から、「event*」(*は数字)を見つける。
私の環境の場合
I: Bus=0003 Vendor=172f Product=0031 Version=0110 N: Name="WALTOP International Corp. Slim Tablet" P: Phys=usb-0000:00:1d.0-1/input0 S: Sysfs=/devices/pci0000:00/0000:00:1d.0/usb5/5-1/5-1:1.0/input/input12 U: Uniq= H: Handlers=mouse1 event5 B: EV=1f B: KEY=c03 1f0001 0 0 0 0 B: REL=103 B: ABS=3fff0001000003 B: MSC=10
3. コマンド「wizardpen-calibrate」を実行し、画面左上と画面右下をペンタブでクリックして、設定値を決める。このコマンドの実行には管理者権限が必要。
私の環境の場合
~$ sudo wizardpen-calibrate /dev/input/event5 Please, press the stilus at ANY corner of your desired working area: ok, got 97,111 Please, press the stilus at OPPOSITE corner of your desired working area: ok, got 9926,6188 According to your input you may put the following lines into your XF86Config/X.Org configuration file: Driver "wizardpen" Option "Device" "/dev/input/event5" Option "TopX" "97" Option "TopY" "111" Option "BottomX" "9926" Option "BottomY" "6188"
4. 修正したファイルをファイルシステムに置きたいので、dpkg-divertでパッケージに含まれるファイルを避難する。面倒であれば、ファイルを直接修正しても大丈夫かと。
~$ sudo dpkg-divert --add --rename --divert /usr/lib/X11/xorg.conf.d/70-wizardpen.conf.diverted /usr/lib/X11/xorg.conf.d/70-wizardpen.conf
5. 修正したファイルをファイルシステムに置く
まず、ファイルを新規に開きます。
~$ sudo gedit /usr/lib/X11/xorg.conf.d/70-wizardpen.conf
以下の内容を貼り付けします。
Section "InputClass" Identifier "wizardpen" MatchIsTablet "on" # Here I hardcoded the event6, please check wich event is yours. # ここは、「cat /proc/bus/input/devices」の実行結果を参考にしてください MatchDevicePath "/dev/input/event5" # This line is the original one. Removed because my tablet was not matched. # MatchVendor "*WALTOP*|*Tablet*" #[CALIBRATION] This data was taken from wizard-calibrate tool. # ここは、さっきのwizardpen-calibrateの実行結果を参考にして Option "TopX" "100" Option "TopY" "120" Option "BottomX" "9920" Option "BottomY" "6200" #[END CALIBRATION] Driver "wizardpen" EndSection
保存してgeditを閉じます。再起動は必要なく、ログアウト/ログインで変更が反映されます。
6. 微調整
「ログアウト/ログイン」と「先ほどのファイルの数値を修正」を繰り返しながら、自分に適した設定値を探してください。システムの再起動は不要です。
このタブレットを持っている方、試してみた結果を教えていただけると助かります。また、waltop社のチップを搭載した他のペンタブレットに関しても、情報をお寄せいただけるとよいかと思います。
オフライン
ひとつ書き忘れました。このペンタブにはボタンが3つあります。先端のペン先部分と側面に2つです。
Karmic向けのハックでは側面の2つのボタンはどちらともマウスのミドルボタン相当でしたが、Lucid向けのハックでは、ちゃんとマウスのミドルクリック・右クリックに相当するように動作しています。
あとは、gimp-painter-の64ビット対応がリリースされてくれたらいいんだけどなぁ。
オフライン